2011年11月13日日曜日

草間彌生の宇宙




美術館の一番奥に圧倒的な存在感を持つ絵があります。


視界を覆う赤い網、あいだを飛ぶ黄の玉。
まずその大きさに驚き、見ていると脳内にちかちかと無数の光を感じます。
生まれてくる前や死後の世界、今を生きている自分、他者とのつながり、たくさ
んの他者に映り増殖する自分…
思考や感情がまとまらず暴れまわります。
これが草間彌生の感じる宇宙なのでしょうか。
たった一枚の絵によっていろいろなことを訴えられます。
いえ、それらを訴えるには芸術以外ないのかもしれません。

現代日本を象徴する美術家、草間彌生。
彼女は少女時代から統合失調症による幻覚や幻聴に悩まされていました。
そしてそのときに感じた驚きや恐怖を静めるため、それらを描きとめる絵を描き
始めました。
現在は絵だけでなく彫刻やインスタレーション、ソフトスカルプチュア、ファッ
ションデザイン、小説など、様々な方法で表現活動をしています。いずれも少女
時代の幻視体験をモチーフに愛や生死、希望など彼女の生きざまを表現しています。


(i)

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