こんにちは、軽井沢現代美術館です。
先月8月14日(金)と15日(土)に毎年ご好評をいただいているイベント、
「蟹江杏 公開制作―版画ができるまで―」を開催いたしました。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止策を実施しながらの開催となりました。
このイベントでは版画家 蟹江杏さんの制作風景を間近にご覧いただけます。
杏さんの作業机の上には、アルコールマーカーや色鉛筆、ステンドグラス用の透明のペン、ニードル、金箔など所せましと画材が並んでいます。
杏さんは、旅先でもその土地の画材屋さんに足を運ばれるほど、画材を見るのがお好きだそう。そういった出会いも鮮やかな色彩として、作品に生きているのかもしれません。
またオリジナル作品をオーダーすることもできるのが、このイベントの特長です。
今回もイベントの2日間で数組のお客様のオーダー作品が誕生いたしました。
オリジナル作品は、様々なアプローチでのオーダーが可能です。
題材の写真を持参される方やその場でイメージを伝える方もいらっしゃいました。
毎回オーダー作品制作中は、お客様も杏さんも楽しげに、そして和やかに会話をされているのですが、その間も杏さんの手は止まることがありません。まるでお客様の言葉やその場の雰囲気が、杏さんの手を伝って、紙の上でそのまま踊っているようです。
今年は開催を決定したものの、どのような状況になるのか懸念していました。
やはり昨今の状況も相まって、例年通りの賑わいとまではいきませんでしたが、イベント会場のギャラリーは昨年と同じように温かい空気に包まれ、参加されたお客様にものんびりと過ごしていただけたのではないかと思います。
今回は版画のプレス機のハンドルを回す作業をスタッフも体験させていただきました。
作品が刷り上がる瞬間は、やはり感嘆の声が漏れます。
今回は杏さんのご厚意で、隙間の時間に体験させていただきましたが、実際にオーダーされたお客様にとっては、より感動的なご経験になったはずです。
イベントの始まる前、杏さんは「いつも通り絵を描くだけ」とおっしゃっていました。
先の見えない不安定な状況の今も、こうしたひたむきな姿勢を貫かれているからこそ、穏やかで清々しいイベントになったのだろうと感じています。
先日、オーダーされた作品が完成したとのご連絡を受けました。
このブログをアップするころには、お客様のお手元に作品が届いているのではないでしょうか。
蟹江杏さん、atelierANZの皆様、そしてご参加くださった皆様にスタッフ一同感謝いたします。
当館では引き続き、蟹江杏さんの作品や書籍・グッズを販売しております。
軽井沢現代美術館限定の作品のご用意もありますので、ぜひこの機会にご来館くださいませ。
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