こんにちは、軽井沢現代美術館です。
毎年ご好評をいただいている8月のイベント「蟹江杏 公開制作-版画作品が出来上がるまで-」を、今期も無事に開催いたしました。
今年もたくさんのお客様にお楽しみいただきました。
中には昨年初めて杏さんの作品を知り、「どのような方なのか是非お話してみたい」とこの機会を楽しみに来て下さったお客様も…。
今回はお客様と杏さんのお話の中から、版画の制作に使用するこだわりの画材についてお聞きすることができました。
杏さんの版画作品は、版となる板にニードルでイメージを描き、刻まれた溝に絵の具を詰めて印刷する“ドライポイント”という技法で制作されます。
多くの場合、ドライポイントで使用される版は銅版ですが、現在杏さんは半透明のアクリル板を使用されています。年間に多くの作品を手がけるため、アクリル板は手軽で失敗を恐れず伸び伸びと描けるのが良いと選ばれているそうです。
そしてこちらの黒色に見える線は、なんと青色の絵の具を煮詰めて出来ているとのこと!
絵の具の滲みも“味”となるドライポイントならではのこだわりを感じられます。
刷り上がった線画に色を付けています。
ドライポイントは印刷紙を水で濡らすため、絵の具では色が滲んでしまいます。
その為、毎回のイベントでは速乾性に優れるコピックマーカーを使用。
スタンプや金箔などを使用し、アクセントをつけています。
完成です!
こちらはピアニストをされているお客様からのリクエスト。
様々な画材を試して楽しみながら制作を続ける杏さん。その姿を間近でご覧いただける貴重なお時間でした。
当館1階ミュージアムショップとギャラリーでは蟹江杏さんの作品、グッズを取り扱っております。
今年は画業25周年を記念して、画家の見つめる世界を自身の言葉とともに綴られた画集「eyes-being an artist-」を発売。
同時発売の初小説「あの空の色がほしい」とご一緒に、ぜひ“あんずワールド”をお楽しみくださいませ。
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